ローズウィンドウ「聖なる光のメッセージ」中山真季

ローズウィンドウ作品制作にあたり、ローズウィンドウ図案・ローズウィンドウ配色の本質的な考え方について説明しています。

芸術的な世界

ローズウィンドウ作品 「ティファニーグラスドーム」

私たちの見ている世界は1枚の絵です。
それは常にリアルタイムで動いていく絵です。
絵の中に私も溶け込み、その絵のピースを担っています。

私たちの精神状態が絵の色を決めます。
暴動、破壊、事故、汚染といったネガティブな問題が巻き起こる絵は暗く、そこに色はありません。
人間の無知や強欲やエゴの状態を表しています。

美しい絵を眺めてみましょう。
自然の草花、小鳥のさえずり、思いやりの街、遊ぶ子供達といったポジティブで一体となり調和がとれた絵は明るく、色とりどりです。
そこに悪の介入できる余地はありません。
調和、安らぎ、至福、輝きに満ちています。

好ましくない絵を私たちは好きなように塗り変えていくことができます。
ただしそこには、各々が意識を変容させていくという前提になります。
芸術と精神性は切り離せないものだからです。

美しさは次元に比例していきます。
稚拙なもの、まやかしのもの、調和性のないものは私たちの奥深くを呼び覚ますことはできません。
しかし、崇高な美には人間の精神的不調和を完全に向けるエネルギー、つまり気づきが起こります。
そこには本質が宿っているからです。
嘘も隠すことも惑わすこともできません。
人は本当の美を目の前にしたとき、感化されるのです。

 

ローズウィンドウとは

ローズウィンドウ作品 「ストラスブール大聖堂の薔薇窓(2019ver.)」

ローズウィンドウは何の目的で誰が生み出したものでしょう。
本には書かなかった本来のローズウィンドウの本質についてお話しします。
本来のローズウィンドウを語る上で欠かせない人物がいます。ルドルフ・シュタイナー博士です。科学・建築・医学・教育あらゆる分野で突出した活動を行い、人智学の創始者、またサイコメトリストと呼ばれる博士です。
そのシュタイナー博士の根源的霊性論の影響を強く受け継いだのが、クラフト作家でもあるヘルガ―・マイヤーブレーカー女史でした。
女史は様々なクラフトを紹介していますが表面的な美しさを狙ったものでなく、しっかりと霊的な内実を備えたものを生み出そうとしました。
それを見た人、作った人が視覚や体感として作用するものとしてです。
幾何学模様と色の光が宇宙的法則性を知らせ、宇宙や霊的作用を導くものとして、そして女史が生み出したものが「ローズウィンドウ」です。
「ローズウィンドウ」は霊学的な世界とつながりを持つ「受容体」として生み出されたのです。
最初、私は何も知りませんでした。

【ローズウィンドウとの出逢い】
2006年秋、とりわけアートに興味があるわけではないのですが、偶然「クリスマスクラフト&ローズウィンドウ」という本に出逢いました。本のタイトルとは裏腹にローズウィンドウに関する記述がほんの数ページ書かれていました。
様々なペーパークラフトが紹介されていましたが、このローズウィンドウが妙に気になって作ってみようと思い立ちました。
ところがあまりにも簡単な記述だけなので途中までしかできません。
それで完成をあきらめました。作り方がどうしてもわかりませんでした。

2007年、本のこともすっかり忘れていた頃、それは突然でした。
朝、私の脳裏に舞い降りました。「ローズウィンドウ」です。
作り方さえわからなかったのに、すべてがイメージとしてもたらされました。
「あっ、これだ!」思わず声がでました。
完成まで何時間かかったか覚えていませんが夕方近くになっていたような気がします。
それが「薔薇とつぼみのモチーフ」です。作品名は後で私がつけました。
衝撃でした、最初見た本には教会のイメージしかないのに何故、薔薇なのか。
何より、図案作成どころか制作手順すら知らない私が、まずいきなり想像もしていない作品ができたのか、
私が作ったというより作らされたという感覚です。
次に来たのが「オルヴィエート大聖堂」です。そして、次々とローズウィンドウを作らされました。
この時、何気なく毎日を過ごしていた私に運命的な歯車が回りだすのを感じました。
それと同時に知ったのです、このローズウィンドウが何の目的で作らされたのかを。
メッセージのような舞い降りたものに私は動かされるようになりました。
私は社交的な人間ではなく、まして、人前で話すことなどできない人間です。
それが、いきなり教室を開催したのです。まわりの人はみんな驚きました。
音楽をしたことのない友達がいきなりライブを開催してステージに立っているような話です。
私に何がおこったのか、まわりは誰も理解できません。
次々と共感した人が習いにきました。気がつけば、都内3カ所で教室をするようになっていました。
レールの上を走りだした列車に乗っている感覚でした。立ち止まって考えている余裕を与えてくれません。
次々と舞い降りたローズウィンドウを多くの人に伝えよがメッセージからの使命です。
作品は簡単にできません。すごくエネルギーがいります。
そんなことなどお構いなしで次々と作品作りに追われていました。

突然、どこで知ったのか出版社の方が訪ねてきました。
「先生のローズウィンドウを出版させてください。失礼ですが、色々こちらでも調べました。今まで類似する本や作品など全くありませんね、これは先生が考案した新しいアートですか?」
確かに、私が作った作品は世界中探してもありません。
「突然、舞い降りてきました」とも言えず、元々の作り方も知らない私は「我流です」としか答えられませんでした。
すぐに契約が交わされて、出版までさらに時間に追われる毎日が始まりました。
こうして出版の運びとなるのですが、これが後で私が苦悩して後悔する羽目になるとは想像もしていませんでした。
「はじめてのローズウィンドウ」が出版されました。
全国の書店に並ぶといっても、私のような無名作家のアート本は初版1000部としても、その1000部でさえ売り切るのは2、3割の本ですと編集者から聞かされていました。
いきなり1000部どころか5000部までいきました。
さらに教室の問合せが急増し、ますます周りの状況が一変していきます。
私のホームページ、ブログのアクセスも急増し、ラジオ、雑誌の取材が舞い込みます。
そして北海道から沖縄に至るまでローズウィンドウを作る人が増え、その本を基に教室をする人が増えてきたのです。
これでメッセージによる私の使命が果たせたと思った時、私はとんでもないことをしてしまったと気付いたのです。
本来、霊学的世界とつなげる受容体として生まれたのがローズウィンドウと知りながら、出版社との話し合いのなかで、単なる誰でも作れるペーパーアートとして世に出したのです。
もし、これが別なものとして姿を変えていけばその元凶は私の責任です。
私のなかに神聖なものを踏みにじった恐怖が芽生えました。怖くなったのです。
その怖さはローズウィンドウがもたらす作用が私のキャパを大きく超えていると感じた瞬間でもありました。
さあ、これからローズウィンドウが注目を浴び本格的に広まろうとしているその時、私は突然逃げようと思いました。
ローズウィンドウから逃げ出しました。
スケジュールをすべてキャンセルし、教室を閉鎖し、ホームページやブログを削除し、自分の痕跡を消して、私は姿を消しました。
当時ローズウィンドウを始めていた人は突然、いなくなった私に驚かれたでしょう。
私を多くの方がその間探していたことも後で知りました。
これがわずか2年足らずの間に私の身に起こったことです。
久しぶりに会う友人にこの話をすると信じてもらえません。
「どうして本まで出して売れ出したとたん、突然あなたがいなくなるの?おかしいでしょ(笑)」
そうなのです。事実なのですが、最初から終わりまですべての出来事が「突然」「いきなり」です。

【マイヤーブレーカー女史のことば】
◦ローズウィンドウの幾何学模様は宇宙の法則性を伝えます。
◦作品を見た人は神々しい神秘的な光を受け取ります。
◦ローズウィンドウの作り手はその神秘的な力の作用を受け取ります。
◦作品が傷んできたら、それはローズウィンドウにまた向き合えという暗示です。
女史のいうローズウィンドウは表面的な模様ではなく、霊学的な世界とのメッセージが内在されています。それではじめて、その世界とつながる受容体として機能するのです。そして、それを制作することで作り手に様々な作用をもたらし、いい影響をもたらすのです。
ローズウィンドウは作品によって作用が異なります。作ることは「写経」のそれとよく似ています。
作り手の精神に様々な影響を与えてくれます。作品により影響の強弱もあります。
シュタイナー博士のいう潜在意識のその下の意識、霊学的な受容体として機能しない作品はローズウィンドウではなく何の作用ももたらしません。

【未完の図案作成】
今まで私は何度も何カ月も頭で考えて図案作りに挑戦しました。
未発表の作品がたくさんあります。何故発表しないのか、自分で作って解るのです。
何の作用もないのです。受容体として機能していないのです。
見た人はすごく奇麗と言ってくれます。ただ、それだけの作品です。
多くの人に奨める価値がないのです。永遠に未発表がたくさんあります。
多くの未発表作品のように何の作用ももたらさない作品がたくさんあります。
私自身も未完の現在進行形で、まして経験値や体感から何も得ていない人が作り手の精神に作用する図案ができることなど想像ができません。焦る必要はありません。
もし何も得ていない段階で図案作りを試すなら
「あなたはローズウィンドウに費やす限られた時間とエネルギーの使い方を間違っていますよ」
としかアドバイスできません。本来の受容体としての作品は簡単な代物ではないのです。
しかし、自身に様々な作用をもたらすローズウィンドウに出逢ってひたすら探求する人にそれがもたらされる予感を感じています。すでにそのことに気づいている人がいます。

【原点を忘れないために】
自身への問いかけがない人は必ず迷ってブレだします。
原点から外れても気づきません。言行不一致があっても気づきません。
たとえば、ローズウィンドウを紹介する時たいていは薔薇窓を模したもの、紙でつくるステンドグラスと説明します。
そして、作品を見せます。その時、見失っている人は薔薇窓にもステンドグラスにも見えない作品を提示しても気づかず、違和感すら感じなくなるのです。

【オリジナル作品】
自分自身でローズウィンドウを生み出そうとすることも探求であり、悪いことではありません。
ただ、何の目的でそれをするのか絶えず問いかけが必要です。
制作経験やローズウィンドウの作用を受け取っていない段階でいきなりそれに向かうと、簡単に道を外します。
まず、目的がわからなくなります。色で表現し、色で思考するのがローズウィンドウだということもすぐに忘れます。
そして、表面的な形や模様の美しさだけを考え原点すら忘れてしまうようになっていきます。
そうする人はもともと何を目的でそれをしようとしているのでしょう?
図案は写経でいうところの「経」の部分です。
自分の目的もわからず無意味な努力は無駄どころかマイナスになってしまいます。
「努力は必ず報われる」といいますが、それは努力の仕方、努力するところを間違わなかった人に使われる言葉です。
ローズウィンドウから様々な作用を受け取る実体験がなにより重要ということすら忘れてしまいます。
私の教室ではローズウィンドウ図案の基本的考え方をフォローアップ講座でお伝えしています。
この方法ならいくらでも図案枚数を増やして色を表現できます。
ただ、本来のローズウィンドウが持つ作用や機能の内実はまったく別の話になります。

【意識エネルギー】
あなたが人生でローズウィンドウに費やす時間とエネルギーに限りがあると思うなら、向き合う作品が本当にそれでいいのか自分にその都度問いかけてください。
あなたにいい影響をもたらす作用の作品と向き合って「写経」のようにあなたの意識エネルギーで完成させるのです。
同じ図案で作っても作り手の意識エネルギーの強弱でもたらされる作用が変わります。
受容体として機能したローズウィンドウは一方通行ではなく作り手の意識エネルギーの影響で機能するのです。
そう感じた作品が完成したら、多くの人に伝えてください。ローズウィンドウは多くの作用をあなたにもたらします。
あなたが教室をしているのなら、何故その作品を作らせるのか、本当にその作品でいいのか、その作品は自身にどんな作用をもたらしたかをまず自分に問いかけてください。
自身への問いかけこそがローズウィンドウの探求につながります。

【作用が訪れない人】
理屈や知識のみで理解しようとする人は心に蓋をします。なかなか次に進めません。
そのような人に限って科学的に立証されたことは疑いなく盲信します。
私の話をすんなり理解した人がいます。ある医科大学の准教授の人です。
「本当にわかってるのですか?」と問うと、
「僕がいる世界は科学の最先端に位置付けられてる医学の世界なんだ。その医学の世界では長年身体に良いとされてきたものさえ、ある日やはり身体にはよくありませんとなる世界なんだ。
今良いとされている薬や治療も本当にいいかを立証するには孫の世代まで何十年もかかる世界なんだ。科学的なものほど疑ってかかったほうがいい。そのローズウィンドウの正体、僕は理にかなってると思う」
彼はそう答えました。

【初級ローズウィンドウ】
ローズウィンドウの魅力はまず、見た目の美しさです。これが入り口です。いわば初級ステージです。
たいていの人はこの初級の追求を始めます。見た目の美しさです。
材料を工夫したり、デザインの勉強を始めたり、簡単で手間いらずの方法を探したり、見た目の入り口からなかなか抜け出せません。
私は生徒さんにもそれは違いますよ、とけっして否定も指摘もしません。
これは誰もがそう考え立ち止まる通過儀礼のようなものです。言葉で教えてもその人の心には届きません。
教えなくても、やはり違うなと感じてまた原点に戻ってきます。
ただ、いつまでたっても抜け出せない人もいます。私にはどうしようもありません。
ローズウィンドウは私に伝える力は与えてくれるのですが、導く力はもたらされていません。

【その人のローズウィンドウレベル】
私の教室に初級、上級といったものはありません。10年前から今も変わりません。
これをいうとたいてい反発されます。最初から私がいうことを受け入れられる人はごく一握りの人です。
どんな教室でも初心者から始まって、段階的に難度が上がります。当然の話です。
ローズウィンドウにもレベルがあります。ただ、皆さんが思うような所にはありません。
私の作品にはカットが細かいものや、図案枚数の多いものがあります。
制作はとても難しいです。それにはそれなりの理由があります。
デザインや模様がどうとかいう理由ではありません。
その作品に何が隠されているか、どんな機能が内蔵されているかです。
ローズウィンドウの世界は奥が深いです。私にもまだまだ先が用意されています。
いつまでも入り口付近で盛り上がっている場合ではないのです。
受容体として機能を持った私の作品は意思に関係なくひとりでに勝手に進化していきます。
ここで述べている事、過去このブログに書いたことがストンと腑に落ちる人はすでにローズウィンドウレベルが次のステージを求めている人です。
ローズウィンドウのレベルがどこにあるか、それはローズウィンドウがもたらす「作用の正体」にあります。

【作品がもたらす作用の正体】
人はもっともらしい知識や理屈には耳を傾けます。それは頭で理解しやすいからです。
ローズウィンドウの正体は頭のなかにはありません。あるとしたら、潜在意識のその下です。体験によってのみもたらされます。
私に舞い降りたものは作品だけではありませんでした。
その作品を多くの人に伝えることが使命であること、それによりその人にどんな作用がもたらされるか、ローズウィンドウの持つ作用の正体は何なのか、
そうしていけば、心配しなくてもローズウィンドウが導きをもたらしてくれること。
私に知らされていたローズウィンドウの作用の正体をお話しします。

【共鳴】
出版社に届くお便りや私に送られる皆さんからのメールにはある共通の驚きが書かれていました。癒しの作用です。
ほとんどが興奮気味にぜひ、周りにも伝えたいので教えてくださいというメッセージでした。
この癒しの作用はレベルでいうと第2ステージの人にもたらされるものです。
しかし、ある種の意識エネルギーの波長を持つ人にはいきなり作用がもたらされるようです。
それは人を癒し、ヒーリング効果と感じます。私の作品を通じての多くの人の感想です。
なぜ最初にその作用が訪れるのか、その正体は「周波数」です。
あなたの意識エネルギーが持つ周波数がローズウィンドウを通して波紋のように広がり、周りの自然や様々なものの周波数と共鳴しだすのです。
そして、作品を作るたびに、まずあなたの周波数が宇宙の法則性にそって整えられていきます。
多くの人に伝えたなら、その分あなたの周波数が強くなります。この共鳴現象がローズウィンドウの作用の正体です。
この話は教室で違う言葉でメッセージを伝えています。もともと理解するとか信じるという類の話ではありません。
私がいつもいうことは「体験して、気づいてください」です。

【言葉で伝えないのは】
最初の本でローズウィンドウの本質を語らなかったのは自分の責任と思いました。
本質が見失われ、間違った方向に向かったらどうしよう、そして、逃げ出しました。
しかしそれも思い上がりの自己過信でした。それすらもローズウィンドウのメッセージだと作品が教えてくれました。
もともと私が語る必要などなかったのです。話さなくても本物の作品なら人は気づくのです。
神聖な光を宿すローズウィンドウが霊学的世界との受容体なら作品が語ってくれるのです。
私は生徒さんにも語ったことはありません。そして今、講師の中で何人も気づいた人が現れました。
私が語ることは使命ではなかったのです。
私の使命は受け取ったローズウィンドウを多くの人に伝えることだけだったのです。
すべてローズウィンドウがその人に語りだすのです。

【ローズウィンドウに隠されたものの考察】
ローズウィンドウは私に時間的余裕はもたしてくれません。しかし、隙をみて作品の秘密を見つけようとしました。
降りてきたような作品と頭を使って結局未発表にした作品の違いに秘密があるはずです。
まず、作品の幾何学模様に言語か道標か暗号かもしれないと思い作品の色ではなく明度の分布の違いを探しました。
また作品を地図に見立てて緯度、経度ごとに色の波長の分布を数字に置き換えようとしました。
そこに規則性のある数式があるのかもと思いました。
一つだけ手がかりを知っています。
「光は色をもたらしてくれます」この言葉はもっともらしいですが、勘違いです。
まばゆい光は色を消し去ります。「闇」が与えられてこそ色が存在するのです。
出版した本では「光と色」というやたら光を強調していますがこれは商業出版上、光のほうが聞こえがいいからです(笑)
ローズウィンドウの本質はこの「闇」にあります。
色に興味のある人は「ゲーテ色彩論」「シュタイナー色彩の本質」を見てください。
一般的な「ニュートン色彩論」ではローズウィンドウはできません。
しかし、これらもすべて入り口だということをお忘れなく、とどまってばかりではいけません。

【最後に】
ここに書いたことは実際に私の身に起こったことで、受け取ったローズウィンドウです。
ローズウィンドウを単なる綺麗なペーパーアートとして見ても何も問題はありません。
それを自身で生み出そうと考えても悪くはありません。
ただ、その見た目の入り口だけにこだわると、何年経っても気づきや進化が訪れないのです。
それはあまりにも勿体ない話です。
おぼろげでも理解できた人はすでにローズウィンドウがもたらす気づきや作用を受け取った人です。
まだ現在進行形で次なる作品の出現にワクワクしています。それは私たちにさらなる作用と影響をもたらしてくれます。
当時は一人で悶々と感じたことも、今ではたくさんの仲間ができました。
皆さんと一緒にローズウィンドウの旅は今はじまったばかりです。共に探求しましょう。

 

やっとここまで話して最初のタイトルに戻れます。

 

ローズウィンドウとは・・・「作る人の周波数シンクロ装置」です。

 

ローズウィンドウの神秘

代表理事 中山真季

出版社や協会にお便りやメールをいただき、とても嬉しく心より感謝しております。
なにぶん時間的にも立場上、生徒さんを優先させていただいており何もお返事が返せておりません。
全国で様々なご事情で私のもとを訪ねられない方がたくさんおられることを改めて知りました。
今後もなかなかお返事ができないだろう事とても心苦しく思っております。
この場をお借りして、お尋ねの多い中でローズウィンドウで重要な点を一つお返事させてください。
私の著書をお求めいただいた皆様に心より御礼申し上げます。

【中略・私は先生を色の魔法使いだと思っています。
本には「光と色」という言葉がありますが光も色も同じ意味に受け取っていました。
最近、先生は光と色は別物というニュアンスで使われているのではと勝手に推測しております。
先生の色魔法のお話し大好きです。またブログにでも先生のご意見をお聞かせいただければ光栄です。後略】
長崎県S・H

「こんにちは、お便りありがとうございます。ご推察の通りです。
色魔法ですか、これは色の捉え方自体の視点を変える話しでもあります。
現代の色についての考察は、光の物理現象として捉えたニュートンの色彩論がベースになっています。
しかし、ローズウィンドウの世界ではゲーテやシュタイナーの色彩論が中心です。
現在の唯物論的色彩では『このリンゴは赤です。何故ならすべての光のうち赤の波長を反射してそれが電気信号として人の脳に届き赤の認識します。よってこのリンゴは赤です』となります。
これは視点を変えると、『このリンゴは赤色を受け入れず赤色をすべて跳ね返しています。このリンゴ自体は赤色だけは持っていません』と全く違う捉え方が成り立ちます。
ローズウィンドウは観念論の世界で物理現象のみで捉えた唯物的発想ではなかなか本質に近づく事ができません。

『光は様々な色をもたらしてくれます』
この言葉はもっともらしいですが勘違いです。まばゆい光は色を消し去ります。
そこに「闇」が与えられてはじめて色が生まれるのです。
色は闇と光の見事な調和によって生み出されるのです。ローズウィンドウはこの「闇」の捉え方が重要です。
Sさんは作品から多くの色のメッセージを受け取っています。だから魔法のように感じることができるのです。
ローズウィンドウのモデルとなる教会の薔薇窓はそれ自体が宇宙、一つの世界観が表されています。その世界は見えないもので満ちています。
あなたの視点、捉え方、気づきが何よりも大事にされるように願っています。
私は作品を手品のように生み出しているわけでもなく、すべてを知っているわけでもありません。
ローズウィンドウを生み出すアーティストとして少しでもその神秘なるものに近づこうとしている者です。
不思議なことはまだまだあります。
これから一緒にローズウィンドウがもたらす聖なる光のメッセージを受けとりましょう。」

 

協会を最適化する

代表理事 中山真季

日本ローズウィンドウ協会は時代とともに変化しています。
2015年からはじまった初心者、会員外でも受講できる講師認定講座は現在、各地域の認定講師が開催できる形態へと移行しました。
私が理想とする事業を行える姿はまだまだ先ですが、それに向かってたえず最適化していく必要があります。
ここでいう最適化とは、内外の環境変化と様々な制約条件のもと、もっとも効果が得られる形態にしていくことです。
これをしないと協会事業のあちこちでブレーキがかかる状態になっていきます。
そこで絶対に変えてはいけないもの、変えなければいけないものとの見極めが重要になります。

私自身は変化が苦手です。本来、女性という性質は保守的な生き物で急激な変化を嫌います。
しかし、日本ローズウィンドウ協会をたえず最適化していく――このことは変化を伴いますが安定につながってもいきます。
協会自身が最適化されると、所属する会員、講師皆さん自然と最適化されます。
会員、講師の皆さんは個性派ぞろいですが、それぞれの個性とスタイルに合わせた最適化になっていくのです。

講師自身が最適化していくとどうなるか?
いち早く予想もしなかったステージやチャンスが訪れ、それに挑戦できるだけの準備が整っていくのです。
すでにローズウィンドウをされていて新たに入会される方には、リセットというよりリスタートになります。
今までしてきたことも土台に取りこんで、伸び悩んでいた原因をそぎ落とし、自然と新たなスタイルで最適化していきます。

日本ローズウィンドウ協会は最適化し続けていきます。
大切にローズウィンドウを守り、大切にローズウィンドウを探求する存在であり続けるために

 

色彩の原理:光と絵具の見え方

減法混色

光の色は赤・緑・青で全ての色を作ることができます。
太陽の光を分光してみると、虹のように様々な色が集まってできている事がわかります。
この光の色のうち赤・緑・青を光の3原色と呼ばれ、わずかこの3色で全ての色を作ることができます。
テレビ・パソコン・スマホの画面はこの3色の混ぜ合わせで作りだされています。

では、その光を受けて反射で見える色、絵具やインクはというと事情が違います。
光をだすものは色を強く混ぜ合わせるとどんどん白く明るくなっていきます。
対して絵具やインクは混ぜるとどんどん黒っぽく暗くなっていきます。
プリンターやカラー印刷はイエロー・マゼンタ・シアンの3色とブラックを混ぜることで様々な色を生み出します。
光の白く明るくなる加法混色にたいして、黒く暗くなる混ぜ方を減法混色と呼ばれています。

では、ローズウィンドウの色を考察してみます。ここからは作家向けのお話しです。
ローズウィンドウ紙であえて、3原色とするならレッド・レモン・スカイ(日本ローズウィンドウ協会ペーパー色より)です。
この3色で全ての色ができるかというと、できません。当然、元々の紙の濃度を変えられないからです。

それぞれの色用紙は光の透過率が違います。
何枚も重ねることにより、透過率は落ちていき暗くなっていきます。
色を重ね合わせて違う色を出す時には、この透過率を頭に入れておく必要があります。
日本ローズウィンドウ協会より発売されている紙は、白を含めて28色あります。
アルファベットでいうとA~Zまであり、AとBを重ねる、またはCとDを使いその上にEを合わせる、といった具合に膨大な展開が可能です。
使う紙の枚数が少ない作品は簡単ですが色の限界がすぐ来てしまい、全体的に赤っぽいとか青っぽいとか単色のイメージが強くなります。

作品にもっといろんな色をときめかせたい時は図案枚数を増やしていきます。
ここで、普通なら紙を増やせば作品が暗くなってしまうと考えますが、作家は違います。
その暗くなる性質を利用して、最も大事なさらなる透明感を作品に生み出すのです。
配色の妙です。
同じ色をつかっても見る人によって違う色に見せてしまう、それが配色です。
そばに置く色が似た色の同色は落ち着いた静かな色合いになり、反対色なら活動的なちょっと不安定なイメージの色合いになります。
あるいは、レッドに近い色は浮き出た感覚になり、スカイに近い色はくぼんだ感覚になります。

ローズウィンドウ作家は配色の意味にこだわります。まさしく、作家ならではの匠の技です。
これらの事を頭では理解していてもいざゼロから作品となると、なかなかできません。
教えられても出来ないことはたくさんあります。
それらは、自分で実際に体感して感覚で身につけることが大事になります。
そのために大事なことは簡単な作品(ここでいう簡単とは図案枚数が少ない作品)ではなく難しい作品にどんどん挑戦すること。
まさしく、配色の妙というべき作品に出合い、正確に真似していくことが一番の早道です。
真似をすることはとても大事なことです。正確に真似た作品が作れるなら、それはそれなりの技術がある証拠です。
一度そのレベルに達してから、そこから少しずつ、自分らしさを出していけばいいのです。

10年前の私の教室と今の教室とはだいぶ違いがあります。今の教室は作家・講師のために特化しています。
日本ローズウィンドウ協会講師の皆さんはすでに経験済でおわかりと思います。
私の教室に初級、中級などありません。
体験レベルといってもやさしい作品はありません。難関課題作品のオンパレードです。
いきなり未体験ゾーンの作品と向き合っていただきます。
なぜ、そうするのか?
それは、講師・作家を目指す人は基本に忠実であってほしいからです。
やさしい作品は基本ができてなくても簡単にごまかしがきき、誰でもそれなりに作れてしまうため、基本が身につかないのです。
限られた時間で基本を身につけるには、少しのごまかしもきかず、基本に忠実でないと完成にたどり着けない難関作品にたえず向き合ってもらうことが一番の早道なのです。