ローズウィンドウは何の目的で誰が生み出したものでしょう。
本には書かなかった本来のローズウィンドウの本質についてお話しします。
本来のローズウィンドウを語る上で欠かせない人物がいます。ルドルフ・シュタイナー博士です。科学・建築・医学・教育あらゆる分野で突出した活動を行い、人智学の創始者、またサイコメトリストと呼ばれる博士です。
そのシュタイナー博士の根源的霊性論の影響を強く受け継いだのが、クラフト作家でもあるヘルガ―・マイヤーブレーカー女史でした。
女史は様々なクラフトを紹介していますが表面的な美しさを狙ったものでなく、しっかりと霊的な内実を備えたものを生み出そうとしました。
それを見た人、作った人が視覚や体感として作用するものとしてです。
幾何学模様と色の光が宇宙的法則性を知らせ、宇宙や霊的作用を導くものとして、そして女史が生み出したものが「ローズウィンドウ」です。
「ローズウィンドウ」は霊学的な世界とつながりを持つ「受容体」として生み出されたのです。
最初、私は何も知りませんでした。
【ローズウィンドウとの出逢い】
2006年秋、とりわけアートに興味があるわけではないのですが、偶然「クリスマスクラフト&ローズウィンドウ」という本に出逢いました。本のタイトルとは裏腹にローズウィンドウに関する記述がほんの数ページ書かれていました。
様々なペーパークラフトが紹介されていましたが、このローズウィンドウが妙に気になって作ってみようと思い立ちました。
ところがあまりにも簡単な記述だけなので途中までしかできません。
それで完成をあきらめました。作り方がどうしてもわかりませんでした。
2007年、本のこともすっかり忘れていた頃、それは突然でした。
朝、私の脳裏に舞い降りました。「ローズウィンドウ」です。
作り方さえわからなかったのに、すべてがイメージとしてもたらされました。
「あっ、これだ!」思わず声がでました。
完成まで何時間かかったか覚えていませんが夕方近くになっていたような気がします。
それが「薔薇とつぼみのモチーフ」です。作品名は後で私がつけました。
衝撃でした、最初見た本には教会のイメージしかないのに何故、薔薇なのか。
何より、図案作成どころか制作手順すら知らない私が、まずいきなり想像もしていない作品ができたのか、
私が作ったというより作らされたという感覚です。
次に来たのが「オルヴィエート大聖堂」です。そして、次々とローズウィンドウを作らされました。
この時、何気なく毎日を過ごしていた私に運命的な歯車が回りだすのを感じました。
それと同時に知ったのです、このローズウィンドウが何の目的で作らされたのかを。
メッセージのような舞い降りたものに私は動かされるようになりました。
私は社交的な人間ではなく、まして、人前で話すことなどできない人間です。
それが、いきなり教室を開催したのです。まわりの人はみんな驚きました。
音楽をしたことのない友達がいきなりライブを開催してステージに立っているような話です。
私に何がおこったのか、まわりは誰も理解できません。
次々と共感した人が習いにきました。気がつけば、都内3カ所で教室をするようになっていました。
レールの上を走りだした列車に乗っている感覚でした。立ち止まって考えている余裕を与えてくれません。
次々と舞い降りたローズウィンドウを多くの人に伝えよがメッセージからの使命です。
作品は簡単にできません。すごくエネルギーがいります。
そんなことなどお構いなしで次々と作品作りに追われていました。
突然、どこで知ったのか出版社の方が訪ねてきました。
「先生のローズウィンドウを出版させてください。失礼ですが、色々こちらでも調べました。今まで類似する本や作品など全くありませんね、これは先生が考案した新しいアートですか?」
確かに、私が作った作品は世界中探してもありません。
「突然、舞い降りてきました」とも言えず、元々の作り方も知らない私は「我流です」としか答えられませんでした。
すぐに契約が交わされて、出版までさらに時間に追われる毎日が始まりました。
こうして出版の運びとなるのですが、これが後で私が苦悩して後悔する羽目になるとは想像もしていませんでした。
「はじめてのローズウィンドウ」が出版されました。
全国の書店に並ぶといっても、私のような無名作家のアート本は初版1000部としても、その1000部でさえ売り切るのは2、3割の本ですと編集者から聞かされていました。
いきなり1000部どころか5000部までいきました。
さらに教室の問合せが急増し、ますます周りの状況が一変していきます。
私のホームページ、ブログのアクセスも急増し、ラジオ、雑誌の取材が舞い込みます。
そして北海道から沖縄に至るまでローズウィンドウを作る人が増え、その本を基に教室をする人が増えてきたのです。
これでメッセージによる私の使命が果たせたと思った時、私はとんでもないことをしてしまったと気付いたのです。
本来、霊学的世界とつなげる受容体として生まれたのがローズウィンドウと知りながら、出版社との話し合いのなかで、単なる誰でも作れるペーパーアートとして世に出したのです。
もし、これが別なものとして姿を変えていけばその元凶は私の責任です。
私のなかに神聖なものを踏みにじった恐怖が芽生えました。怖くなったのです。
その怖さはローズウィンドウがもたらす作用が私のキャパを大きく超えていると感じた瞬間でもありました。
さあ、これからローズウィンドウが注目を浴び本格的に広まろうとしているその時、私は突然逃げようと思いました。
ローズウィンドウから逃げ出しました。
スケジュールをすべてキャンセルし、教室を閉鎖し、ホームページやブログを削除し、自分の痕跡を消して、私は姿を消しました。
当時ローズウィンドウを始めていた人は突然、いなくなった私に驚かれたでしょう。
私を多くの方がその間探していたことも後で知りました。
これがわずか2年足らずの間に私の身に起こったことです。
久しぶりに会う友人にこの話をすると信じてもらえません。
「どうして本まで出して売れ出したとたん、突然あなたがいなくなるの?おかしいでしょ(笑)」
そうなのです。事実なのですが、最初から終わりまですべての出来事が「突然」「いきなり」です。
【マイヤーブレーカー女史のことば】
◦ローズウィンドウの幾何学模様は宇宙の法則性を伝えます。
◦作品を見た人は神々しい神秘的な光を受け取ります。
◦ローズウィンドウの作り手はその神秘的な力の作用を受け取ります。
◦作品が傷んできたら、それはローズウィンドウにまた向き合えという暗示です。
女史のいうローズウィンドウは表面的な模様ではなく、霊学的な世界とのメッセージが内在されています。それではじめて、その世界とつながる受容体として機能するのです。そして、それを制作することで作り手に様々な作用をもたらし、いい影響をもたらすのです。
ローズウィンドウは作品によって作用が異なります。作ることは「写経」のそれとよく似ています。
作り手の精神に様々な影響を与えてくれます。作品により影響の強弱もあります。
シュタイナー博士のいう潜在意識のその下の意識、霊学的な受容体として機能しない作品はローズウィンドウではなく何の作用ももたらしません。
【未完の図案作成】
今まで私は何度も何カ月も頭で考えて図案作りに挑戦しました。
未発表の作品がたくさんあります。何故発表しないのか、自分で作って解るのです。
何の作用もないのです。受容体として機能していないのです。
見た人はすごく奇麗と言ってくれます。ただ、それだけの作品です。
多くの人に奨める価値がないのです。永遠に未発表がたくさんあります。
多くの未発表作品のように何の作用ももたらさない作品がたくさんあります。
私自身も未完の現在進行形で、まして経験値や体感から何も得ていない人が作り手の精神に作用する図案ができることなど想像ができません。焦る必要はありません。
もし何も得ていない段階で図案作りを試すなら
「あなたはローズウィンドウに費やす限られた時間とエネルギーの使い方を間違っていますよ」
としかアドバイスできません。本来の受容体としての作品は簡単な代物ではないのです。
しかし、自身に様々な作用をもたらすローズウィンドウに出逢ってひたすら探求する人にそれがもたらされる予感を感じています。すでにそのことに気づいている人がいます。
【原点を忘れないために】
自身への問いかけがない人は必ず迷ってブレだします。
原点から外れても気づきません。言行不一致があっても気づきません。
たとえば、ローズウィンドウを紹介する時たいていは薔薇窓を模したもの、紙でつくるステンドグラスと説明します。
そして、作品を見せます。その時、見失っている人は薔薇窓にもステンドグラスにも見えない作品を提示しても気づかず、違和感すら感じなくなるのです。
【オリジナル作品】
自分自身でローズウィンドウを生み出そうとすることも探求であり、悪いことではありません。
ただ、何の目的でそれをするのか絶えず問いかけが必要です。
制作経験やローズウィンドウの作用を受け取っていない段階でいきなりそれに向かうと、簡単に道を外します。
まず、目的がわからなくなります。色で表現し、色で思考するのがローズウィンドウだということもすぐに忘れます。
そして、表面的な形や模様の美しさだけを考え原点すら忘れてしまうようになっていきます。
そうする人はもともと何を目的でそれをしようとしているのでしょう?
図案は写経でいうところの「経」の部分です。
自分の目的もわからず無意味な努力は無駄どころかマイナスになってしまいます。
「努力は必ず報われる」といいますが、それは努力の仕方、努力するところを間違わなかった人に使われる言葉です。
ローズウィンドウから様々な作用を受け取る実体験がなにより重要ということすら忘れてしまいます。
私の教室ではローズウィンドウ図案の基本的考え方をフォローアップ講座でお伝えしています。
この方法ならいくらでも図案枚数を増やして色を表現できます。
ただ、本来のローズウィンドウが持つ作用や機能の内実はまったく別の話になります。
【意識エネルギー】
あなたが人生でローズウィンドウに費やす時間とエネルギーに限りがあると思うなら、向き合う作品が本当にそれでいいのか自分にその都度問いかけてください。
あなたにいい影響をもたらす作用の作品と向き合って「写経」のようにあなたの意識エネルギーで完成させるのです。
同じ図案で作っても作り手の意識エネルギーの強弱でもたらされる作用が変わります。
受容体として機能したローズウィンドウは一方通行ではなく作り手の意識エネルギーの影響で機能するのです。
そう感じた作品が完成したら、多くの人に伝えてください。ローズウィンドウは多くの作用をあなたにもたらします。
あなたが教室をしているのなら、何故その作品を作らせるのか、本当にその作品でいいのか、その作品は自身にどんな作用をもたらしたかをまず自分に問いかけてください。
自身への問いかけこそがローズウィンドウの探求につながります。
【作用が訪れない人】
理屈や知識のみで理解しようとする人は心に蓋をします。なかなか次に進めません。
そのような人に限って科学的に立証されたことは疑いなく盲信します。
私の話をすんなり理解した人がいます。ある医科大学の准教授の人です。
「本当にわかってるのですか?」と問うと、
「僕がいる世界は科学の最先端に位置付けられてる医学の世界なんだ。その医学の世界では長年身体に良いとされてきたものさえ、ある日やはり身体にはよくありませんとなる世界なんだ。
今良いとされている薬や治療も本当にいいかを立証するには孫の世代まで何十年もかかる世界なんだ。科学的なものほど疑ってかかったほうがいい。そのローズウィンドウの正体、僕は理にかなってると思う」
彼はそう答えました。
【初級ローズウィンドウ】
ローズウィンドウの魅力はまず、見た目の美しさです。これが入り口です。いわば初級ステージです。
たいていの人はこの初級の追求を始めます。見た目の美しさです。
材料を工夫したり、デザインの勉強を始めたり、簡単で手間いらずの方法を探したり、見た目の入り口からなかなか抜け出せません。
私は生徒さんにもそれは違いますよ、とけっして否定も指摘もしません。
これは誰もがそう考え立ち止まる通過儀礼のようなものです。言葉で教えてもその人の心には届きません。
教えなくても、やはり違うなと感じてまた原点に戻ってきます。
ただ、いつまでたっても抜け出せない人もいます。私にはどうしようもありません。
ローズウィンドウは私に伝える力は与えてくれるのですが、導く力はもたらされていません。
【その人のローズウィンドウレベル】
私の教室に初級、上級といったものはありません。10年前から今も変わりません。
これをいうとたいてい反発されます。最初から私がいうことを受け入れられる人はごく一握りの人です。
どんな教室でも初心者から始まって、段階的に難度が上がります。当然の話です。
ローズウィンドウにもレベルがあります。ただ、皆さんが思うような所にはありません。
私の作品にはカットが細かいものや、図案枚数の多いものがあります。
制作はとても難しいです。それにはそれなりの理由があります。
デザインや模様がどうとかいう理由ではありません。
その作品に何が隠されているか、どんな機能が内蔵されているかです。
ローズウィンドウの世界は奥が深いです。私にもまだまだ先が用意されています。
いつまでも入り口付近で盛り上がっている場合ではないのです。
受容体として機能を持った私の作品は意思に関係なくひとりでに勝手に進化していきます。
ここで述べている事、過去このブログに書いたことがストンと腑に落ちる人はすでにローズウィンドウレベルが次のステージを求めている人です。
ローズウィンドウのレベルがどこにあるか、それはローズウィンドウがもたらす「作用の正体」にあります。
【作品がもたらす作用の正体】
人はもっともらしい知識や理屈には耳を傾けます。それは頭で理解しやすいからです。
ローズウィンドウの正体は頭のなかにはありません。あるとしたら、潜在意識のその下です。体験によってのみもたらされます。
私に舞い降りたものは作品だけではありませんでした。
その作品を多くの人に伝えることが使命であること、それによりその人にどんな作用がもたらされるか、ローズウィンドウの持つ作用の正体は何なのか、
そうしていけば、心配しなくてもローズウィンドウが導きをもたらしてくれること。
私に知らされていたローズウィンドウの作用の正体をお話しします。
【共鳴】
出版社に届くお便りや私に送られる皆さんからのメールにはある共通の驚きが書かれていました。癒しの作用です。
ほとんどが興奮気味にぜひ、周りにも伝えたいので教えてくださいというメッセージでした。
この癒しの作用はレベルでいうと第2ステージの人にもたらされるものです。
しかし、ある種の意識エネルギーの波長を持つ人にはいきなり作用がもたらされるようです。
それは人を癒し、ヒーリング効果と感じます。私の作品を通じての多くの人の感想です。
なぜ最初にその作用が訪れるのか、その正体は「周波数」です。
あなたの意識エネルギーが持つ周波数がローズウィンドウを通して波紋のように広がり、周りの自然や様々なものの周波数と共鳴しだすのです。
そして、作品を作るたびに、まずあなたの周波数が宇宙の法則性にそって整えられていきます。
多くの人に伝えたなら、その分あなたの周波数が強くなります。この共鳴現象がローズウィンドウの作用の正体です。
この話は教室で違う言葉でメッセージを伝えています。もともと理解するとか信じるという類の話ではありません。
私がいつもいうことは「体験して、気づいてください」です。
【言葉で伝えないのは】
最初の本でローズウィンドウの本質を語らなかったのは自分の責任と思いました。
本質が見失われ、間違った方向に向かったらどうしよう、そして、逃げ出しました。
しかしそれも思い上がりの自己過信でした。それすらもローズウィンドウのメッセージだと作品が教えてくれました。
もともと私が語る必要などなかったのです。話さなくても本物の作品なら人は気づくのです。
神聖な光を宿すローズウィンドウが霊学的世界との受容体なら作品が語ってくれるのです。
私は生徒さんにも語ったことはありません。そして今、講師の中で何人も気づいた人が現れました。
私が語ることは使命ではなかったのです。
私の使命は受け取ったローズウィンドウを多くの人に伝えることだけだったのです。
すべてローズウィンドウがその人に語りだすのです。
【ローズウィンドウに隠されたものの考察】
ローズウィンドウは私に時間的余裕はもたしてくれません。しかし、隙をみて作品の秘密を見つけようとしました。
降りてきたような作品と頭を使って結局未発表にした作品の違いに秘密があるはずです。
まず、作品の幾何学模様に言語か道標か暗号かもしれないと思い作品の色ではなく明度の分布の違いを探しました。
また作品を地図に見立てて緯度、経度ごとに色の波長の分布を数字に置き換えようとしました。
そこに規則性のある数式があるのかもと思いました。
一つだけ手がかりを知っています。
「光は色をもたらしてくれます」この言葉はもっともらしいですが、勘違いです。
まばゆい光は色を消し去ります。「闇」が与えられてこそ色が存在するのです。
出版した本では「光と色」というやたら光を強調していますがこれは商業出版上、光のほうが聞こえがいいからです(笑)
ローズウィンドウの本質はこの「闇」にあります。
色に興味のある人は「ゲーテ色彩論」「シュタイナー色彩の本質」を見てください。
一般的な「ニュートン色彩論」ではローズウィンドウはできません。
しかし、これらもすべて入り口だということをお忘れなく、とどまってばかりではいけません。
【最後に】
ここに書いたことは実際に私の身に起こったことで、受け取ったローズウィンドウです。
ローズウィンドウを単なる綺麗なペーパーアートとして見ても何も問題はありません。
それを自身で生み出そうと考えても悪くはありません。
ただ、その見た目の入り口だけにこだわると、何年経っても気づきや進化が訪れないのです。
それはあまりにも勿体ない話です。
おぼろげでも理解できた人はすでにローズウィンドウがもたらす気づきや作用を受け取った人です。
まだ現在進行形で次なる作品の出現にワクワクしています。それは私たちにさらなる作用と影響をもたらしてくれます。
当時は一人で悶々と感じたことも、今ではたくさんの仲間ができました。
皆さんと一緒にローズウィンドウの旅は今はじまったばかりです。共に探求しましょう。
やっとここまで話して最初のタイトルに戻れます。
ローズウィンドウとは・・・「作る人の周波数シンクロ装置」です。